役割理論補足・パの組み方

この論文は役割理論について、多少の知識がある事を前提として話を進めます。
万が一、役割理論についての知識が無い場合は、
この論文を読み進める前にゴールドさんの「POKeMON Battle Victoryroad」やしゃわさんの「セキエイジム」等を参照してください。

・前書き
ポケモンで勝つためには以下の2つのことをこなさなければなりません。
1、相手の3匹を全て倒すこと
2、1が満たされている事を前提条件として、更に相手がこちらの3匹を倒す前に相手の3匹を倒すこと

そして、ここで私が提唱する「決定力安定性速攻力」とは、これらの事をこなすことについてのパの能力の事を指します。
この3つについて簡単に解説すると
決定力相手の3匹を全て倒す力の高さ。
安定性相手が決定力を出せないようにするための力の高さ。
又は相手の決定力を出すスピードを削り落とす力の高さ。
(相手がこちらの3匹を倒す前に相手の3匹を倒すための力)
速攻力こちらの決定力を出すスピードの高さ。
(相手がこちらの3匹を倒す前に相手の3匹を倒すための力)
ということになります。
※「決定力」に関して、1回1回の対戦を考えてしまうと「ある」か「無い」かのどちらかとなり、
「〜の高さ」という定義に合わなくなるので、基本的には何回も対戦することを考え る。
つまり、「決定力」が高い状態とは、相手の3匹を倒せる状態になる(あるか無いか で言うと、「ある」)頻度が高い状態のことを指す。
状況を絞り込んだ時は、「ある」「無い」で表記してしまう場合もありますが;
※「安定性」と「速効力」は、特に条件に指定がない限りは「複数回の対戦の平均 値」を取るとする。

ただ、これだとまた説明として不十分な所もあります。
なので、これらの3つの能力について詳しく書いてみようと思います。

・決定力
簡単にいうと「相手の3匹を全て倒す力」です。

そして、試合に出す3匹のポケを選択する地点で決定力を出せる可能性を必ず残しておけるなら、
「戦う前から試合を捨てなければならない」という確定負けの状態にはなりません。
「どんなパに対しても、試合に出す3匹のポケを選択する地点で決定力を出せる可能性を必ず残しておけること」を私は「決定力の保証」と呼びたいと思います。
(過去に私が論じた定義と多少異なるので注意)
今の所私が発見した決定力を保証する手段は、
全抜き仕様(地震雪崩めざ飛剣舞@ホネ等)のガラ導入、爆破、吠えない昆布、太鼓アンコピク+霊狩りポケの4つぐらいです。
(ただ、他にも決定力を保証する手段が見つかる可能性があるため、これは単 なる一例だと思ってください)

この4つの手段について少し詳しく触れてみます。
全抜き仕様ガラ導入全てのポケを倒せる仕様のガラを導入することによって決定力の保証を狙う手段。
ただ、何も考えずに入れると寝言ポケや再生系ポケに釘付け(後述)されることによって決定力を出せなくなる危険があります。
なので、ガラに弱いポケを確実に誘い出せるポケ(捨て身雷カビ等)を相棒にする必要があります。
爆破決定力を出すのが難しいのは3対3だからであり、爆破で相打ちすることにより1対1や2対2の状況を作り出せるなら、
決定力の保証は難しいことではありません。
ちなみに、1対1の状況はタイマンに強いポケをエースにする場合に有効で、
2対2の状況は昆布を狙う場合に有効です(注1)。
ただし、霊ポケに受けられると意味が無いので、爆破ポケや他の取り巻きの技を工夫する必要があります。
吠えない昆布撒きびしと交代を駆使することにより役割破壊する手段です(注2)。
ただし、何回も読むことが必須で、読み負けた時のリスクも非常に高いです。
(相手が読み負けた時もリスク高いですが)
また、飛行ポケ2匹で止まる可能性があるので、飛行ポケを2匹出させないようにポケの技等を工夫する必要があります。
太鼓アンコピク+霊狩りポケ太鼓アンコピクは、霊ポケを除く全てのポケを潰せます。
そして、霊ポケはヘル等で刈ることが出来るので、これだけで決定力が保証されます。
ただし、Wゴーストでヘルあたりが原画くろまな爆破(爆破だけなら読みで爆破を外させることが可能)で持っていかれてしまうため、
守るヘルを導入したりWゴーストを出されないように取り巻きを工夫したりする必要があります。
また、太鼓した後も先制のサンダー雷、ヘラクロスメガホーン等が厳しいので、
壁や電磁波、眠らせ技等を持っていないと速攻力が大きく下がります。
ちなみに、アンコが無いと地震鈍いねむねご首領等に止められてしまう可能性があります。
(他にも、実際には殆ど出てこない寝言霧オムでしか止められないガル霊狩り等も、実際には決定力が保証されているのも同然の扱いになるかもしれません)

決定力の保証をするとパーティのコンセプトから外れてしまうといった場合は、
せめて相手の一匹のポケにこちらのポケが何体も止められてしまうといったことが無いように、役割の重複を許さないように構築すると決定力はかなり向上します。

ところで、お互いにポケを引っ込めた地点で負けてしまう場合や、お互いに決定力が出せない場合は「PP戦」と呼ばれる決定力が生じます。

お互いにポケを引っ込めた地点で負けてしまう場合に生じるPP戦で勝てる場合は2つ有ります。
「1、相手の方が先にPPが切れ、相手の悪足掻きで潰される前に相手を潰せる場合」
「2、こちらの方が先にPPが切れ、相手に潰される前に悪足掻きで相手を潰せる場合」

お互いに決定力が出せない場合に生じるPP戦については、交代できるかできないか、
状態異常や撒きびしや砂塵の有無、回復手段、相手に対する攻撃力等状況がいくらでも変化するので詳しい説明は省略します。
基本的に、この場合に生じるPP戦による勝利は狙うべきではありません。
なぜなら、これは最後に生じる決定力であり、また勝利条件がかなり複雑に変化するため相手に勝てる保証が恐らく無いからです。
(いつか誰かがこの場合に生じるPP戦の勝利条件について分析する可能性はあるかもしれませんが)

この要素は読みでカバーすることが出来ず、決定力が保証されていなければ運g(というより相性g)からは逃れられないため、
構築の地点で徹底的に煮詰める必要があります。
(とんでもない強運でカバーできるかもしれませんが、この方法では運gからは逃れられません)

・安定性
簡単にいうと「相手が決定力を出せないようにするための力、又は相手の決定力を出すスピードを削り落とす力」です。

相手の攻撃を完全に受け切ることができれば、回復技のPPが尽きない限りは負けることはありません。
ただ、「決定力の保証」が2000ルールでは可能なので、必ずしも相手の攻撃を完全に受け切ることは出来ません。
しかし、相手の攻撃を完全に受け切ることが出来なくても、相手の決定力を出すスピードを削り落とすことは可能です。

では、相手の攻撃を完全に受け切れない場合に使う手段を挙げていきます。
1、「潰し」と、「潰し」が相手に潰されないようにするために補助技を使う「補佐」を入れる。
2、寝言や電磁波再生等で強引に相手の攻撃を止めるための「誤魔化し」を入れる。
3、特定のポケを潰せるポケだけを入れることにより、特定のポケが出てこれないようにする。
(これは「釘付け」と呼ばれることが多く、私もこの造語を使用する)誤魔化しと併用することが多い。
4、(対昆布専用)昆布るポケに対する封じ(受 け、誤魔化し)を2匹入れる。
5、(対昆布専用)スピンが使えるポケを入れる。
相手の撒き役が冷Bパルやめざ虫フォレで無い場合は、4と5を組み合わせることにより昆布による決定力を完全に削ぎ落とすことが出来ます。
6、状態異常技を使う(例えば、眠らせ技を使えば相手の一匹のポケを一時的に無力化することができるし、
麻痺技を使えば釘付けや誤魔化しが容易になるし、毒毒を使えば間接的に相手を眠り状態に追い込んだり、自己再生系ポケを追い出すことができる)。
ただし、眠ることで回復する状態異常技や眠らせ技を使う時は、相手に寝言ポケが居た場合、効果が薄くなったり無くなったりする
(特に、眠らせ技を使う場合はこれが顕著に現れる)
7、(対状態異常専用)状態異常技対策の技や持ち物を入れる
状態異常技は、放置しておくと安定性の低下に繋がります(特に、何も出来なくなってしまう眠らせ技は)。
なので、ねむねごや神秘の守り、各種の実は欲しいところです。


この能力は足りなくても読みで多少はカバーすることが可能です。
しかし、パの安定性が欠如すると、決定力に乏しいパに決定力を出されてしまうという事態になります。
更に、その事態に加えて相手のパにこちらの速攻力を削ぎ落とされたり、多少のミス(読み負け含む)をしたり、
僅かであっても不運に見舞われたりすると、安定性を生かして立て直すことも出来ないので相手に先に決定力を出されてしまう(=負ける)ということになります。
いくら読みが上手くても、相手のパの安定性の高さをコントロールしたり、不運から逃げることは出来ません。
なので、安定性があまりにも足りないと、運g(相性g含む)の度合いが高まっていきます。

・速攻力
簡単にいうと「相手が決定力を出す前にこちらの決定力を出すための力」です。

決定力の出し方を増やしたり、補助技を使い強引に決定力を出せるようにすることで強化されます。

この能力は足りなくても読みで多少はカバーすることが可能です。
ただ、パの速攻力が低いからと言って決定力に乏しいパに決定力を出されてしまうということは無く、
相手が決定力に長けるパを使う場合のみこの能力が重要になってきます。
(相手の決定力が無い場合、決定力を出せる体制に持ち込むのに時間をかけることが出来る)
相手が決定力に長けるパを使う場合に速攻力が低いと、こちらが決定力を出す前に長い間相手が決定力を出すのを防がなくてはならず、
シビアになってくるので読みg運gの色はやはり濃くなってきます。

・3要素の優先順位
良い勝率をあげる為には、運gを超えた確率を出さなくてはならないため、運gは極力避けなければなりません。
また、読みgも確実ではないので出来れば避けたいです。
それを考えると、足りないと無条件で運gや読みgになる決定力や安定性を速攻力よりも優先して強くする必要があります。

更に、ポケの勝利条件をもう一度おさらいすると
1、相手の3匹を全て倒すこと(決定力が関わる条件)
2、「1が満たされている事を前提条件として」、更に相手がこちらの3匹を倒す前に相手の3匹を倒すこと(安定性と速攻力が関わる条件)
であるため、相手の3匹を全て倒せないことには安定性速攻力以前の話になってしまいます。
決定力をPP戦に頼る場合は、決定力を出す条件である完璧な受けを最優先に考える必要がありますが、
「決定力の保証」が2000では可能であるため、完璧な受け、そして毎回PP戦を狙うのは不可能です。
つまり、決定力は安定性よりも優先する必要があるということです。

というわけで、パの構築における優先順位は
決定力>安定性>速攻力
であると言うことができます。

・2000最終結論(仮)
決定力は最優先の事項なので、まずはここを完璧にすることから考えます。
となると、決定力が保証できる全抜き仕様(地震雪崩めざ飛剣舞@ホネ等)のガラ導入、爆破、吠えない昆布、太鼓アンコピク+霊狩りポケのどれかを満せないパは、
最強を名乗る資格が無いと言うことができそうです。
ここで2言になりますが、読みgも確実ではないので読みg必須の決定力はできれば避けたいです。
なので、この地点で吠えない昆布を使ったパは除外となります。

ここで、全抜き仕様ガラ導入、爆破、太鼓アンコピク+霊狩りポケに共通点があります。
それは、全て物理攻撃だと言うことです。
皆が最強を目指し、これらのパが流行った場合、物理攻撃を中心に戦う相手の速攻力を削り取るリフレクター、甘える、泣き声等が流行るでしょう。

そして、リフレクターで速攻力を削がれても相手よりも先に決定力を出せるようにするために安定性を強化する必要が出てきます。
(ちなみに、運g読みgを避けると言う意味でも速攻力よりも安定性を重視して強化することは必要)
となると、爆破で1対1を狙う戦術は安定性が乏しすぎるので不可ということになります。

つまり、2000最終結論(仮)はこんな感じになると思います。
1、全抜き仕様ガラ導入、昆布、太鼓アンコピク+霊狩りポケのどれかを満たしたパでなければ最強の資格は無い。
2、リフレクター乱立、甘えまくり、泣きまくりの世界になる。

(ただ、実際には安定性や速攻力を捨ててまで決定力を「決定力の保証」が出来る段階まで上げなくても良いかもしれないので、
もしそうなのであればこの論は脆くも崩れ去ります。
また、他に「決定力の保証」が出来る方法が見つかった場合もそうかもしれません)

・注の説明
(注1)昆布による決定力の保証
まず、霊を潰せる昆布ポケ、爆破が出来る撒きポケ、霊と昆布ポケの受けを全て潰せるポケを用意する。
(この場合、相手は昆布ポケの受け×2と霊と昆布ポケの受けを全て潰せるポケの受けを用意しないといけない。この地点で霊ポケは出せない)

そして、撒きポケで撒いた後、爆破で一匹を道連れにすれば完成。
昆布ポケの受けを爆破できた場合昆布の体制が完成し、昆布ポケの受けを全て潰せるポケの受けを爆破できた場合は取り巻きで暴走できます。

霊ポケは出てこないので爆破で相手が倒せないという状況は生じませんが、
N技半減ポケが出てくると他のポケでHPを削ったり、相手が眠って鈍いを積んだりしてから爆破しなければならず面倒なので、
極力冷Bor波パルを使用する事を推奨します。

(注2)吠えない昆布の説明
赤いヘルガーさんの「ねぎトロ定食」を参照してください(ぉぃ
補足するなら、普通の昆布はこちらのポケモンが相手のポケモンに対して優位に立っている時に吠えるのに対して、
吠えない昆布はこちらのポケモンが相手のポケモンに対して優位に立っているのにも関わらずあえて交代しなければならないので、
吠えない昆布の方が何かと危険な場合が多いです。
ただ、相手も逆読みするとかなりのリスクを負う場合が多いですけどね。

余談ですが、昆布パが普通に昆布の体制を作れなかった時の最終手段として使うこともあります。




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